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ケアマネジャーだって一息つきたい!
 離職予防と地域ネットワークを目指して、ケアマネカフェを開催。介護相談センターOGINZ(オギンズ) 渡辺純さんに聞く
(2021/01/28)
認知症カフェは全国に7,000カ所もある*。普及の大きな契機となったのは2015年のオレンジプランだ。その中で全国すべての自治体に認知症カフェを開設するという目標が盛り込まれた。認知症の人と家族にとってカフェは、ホッと一息つける貴重な場だ。
認知症カフェほど普及していないが、ケアマネカフェに参加したことがある方もいるだろう。「カフェなのに飲み物が出ない」「困難事例検討会になっている」など、ホッと一息どころか仕事の一環になってしまっているところもあるようだ。

敷居の低さが好評

東京都町田市、介護相談センターOGINZのケアマネジャー渡辺純さんは、7年前からケアマネカフェを開催している。ケアマネを目指していた知人が、やっとケアマネになれて頑張っていたのに、次に会ったときにはもう辞めていたり、ケアマネの仕事が大変で精神的に参ってしまったりなど、離職する知人に心を痛め、何かできないかと思ったことがきっかけだった。
「カフェでは参加者のケアマネは本当にリラックスしています。コーヒーを飲みながら素朴な疑問や、人に言えないような悩みなど困りごとを話す場になっています。業務をしているときの顔と、カフェに来るときの顔は違いますよ。日々、1人でケアマネとして業務をしている日中があって、“ちょっと行き詰ったな”と落ち込んでいるときでも、カフェに参加して一息ついてもらえればという思いでやっています」(渡辺さん)
ケアマネカフェは月に1回、1〜2時間程度で参加者は10〜30名。時にはケアマネカフェを多職種カフェに変えて開催するときもあり、そうすると参加者は50名に及ぶときも。困りごとを聞き出し、参加したことでケアマネの引き出しが増えるようなテーマを毎回渡辺さんが考える。「医療介護福祉職から良いものを「集め」×「学び」×「笑う」! 良いとこどりカフェ!」「経過記録を楽しく書いチャオ! 〜法令スパイス編」など一味違ったテーマでカフェを盛り上げる。ただコーヒーを飲んで話をするときもあり、何よりも参加者の意見を大切にして、脱線の多い、敷居の低いカフェをめざしている。
今まで東京都府中市、多摩市、町田市、神奈川県厚木市等で開催、参加者は7年間で約480名に及ぶ。ずっと渡辺さん個人で運営していたが、最近は所属する法人も更に協力体制を整えてくれている。会場は市民交流プラザのような市の会場を借りたり、協力してくれるデイサービス、老人ホームの会議室だったりといろいろだ。案内の方法は渡辺さんが個人的にSNSで発信したり、所属法人から市内の事業所にFAXしてもらったり、最近では「協力したい」とチラシを配布してくる方もでてきた。
カフェ終了後のアンケートでは、「くだらない質問でも話せる」「参加者が同じ境遇にあり、気持ちが安心できる」「繰り返し計画書等の説明が聞けて、忘れそうなことが思い出せる」など、カフェに対する満足感・期待感が大きく、コメントを読んで「続けなきゃいけないな」と渡辺さん自身、身が引き締まるという。
地域でケアマネ向けの会を開いても、積極的に参加がなく困っているとの声も聞くが、渡辺さんは、
「ケアマネは日常の業務のときに、なかなか自分を出せない面もあると思います。“私はケアマネだから、人に聞けない。知ってなきゃいけない”とね。仕事中は気張ってたりするかもしれません。その気持ちを汲んでちょっと息抜きができるように配慮することが必要。ケアマネが参加しやすい工夫をするといいかもしれないですよね」。
最近は新型コロナの影響もあり、Zoomを使っての開催が続いている。参加者はチャット機能を使って会話に参加してもらうのだが、これが思った以上に楽しめるという。
「意外とチャットは参加してる感があります。言葉を発するのが苦手な方は、チャットの入力のほうが良かったり。乾杯を入れたときもあって、お酒を飲んだらチャットもとても盛り上がりました」。

広げたいケアマネカフェの輪

カフェに参加した神奈川県のケアマネから「ケアマネカフェをやりたい」と依頼があり、渡辺さんが出向き進行役をしたこともある。今では渡辺さんの手を離れ、その方は定期的にケアマネカフェを開催ができるまでになった。地域包括から協力の依頼があることもあり、実際に協力して包括が継続して開催しているところもある。確実に輪は広がっている。
「何もない地域で何かしようって言ったときに、たぶん時間がかかるんですよね。2025年を目途に地域包括ケアシステムの構築を推進するといっても、ある程度の土台がないと難しいと思います。だからこのケアマネカフェが地域包括ケアシステムの拠点となって色々繋がりができてもおもしろいかな。
今後、ケアマネが増えるかどうかは先が読めない状況が続いています。今、活躍しているケアマネが仕事を続けられる、その一助となるものが必要だと感じています。ケアマネカフェやってみようかなとお気持ちのある方に、ぜひトライしてみてもらいたいです」(渡辺さん)
次回のカフェ開催はホームページに記載、気軽にカフェの扉を開けてみて!
*コスガ聡一著『認知症カフェガイドブック』クリエイツかもがわ、13頁
介護相談センターOGINZ:https://hp.kaipoke.biz/6rb/index.html
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