JASPA介護リフト普及協会は8月2日から3日間、都内で「リフト・フェア2018」を開催した。この中でJASPAが主催する「リフトリーダー養成研修」の一環として、特養とショートステイの入所者に対し、介護職全員が吊り上げ式のリフトを使ったケアを実践している白寿園(宮崎県)の中別府義美施設長が「リフトを活用した介護職員の定着対策」と題して講演をした。 白寿園は50床、6ユニットの全室個室ユニット型特養。ショートステイと合わせて77名の入所者に対し、50名の介護職全員が、吊り上げ式のリフトを使ったケアを実践している。ノーリフトの普及に取り組んでいた日本作業療法士協会の認定OTを介護技術コンサルタントとして招き、2014年から3年間かけて定着させた。 導入を決めたきっかけは、吊り上げ式リフトを使った腰痛予防の研修に、白寿園の看護師が参加したこと。「介護職と利用者への負担を軽減するためリフトの活用法を教えてほしい」とアドバイスを求めたところ、認定OTが協力してくれるようになったという。研修に参加したり、講義やリフトを導入している他施設の見学などを重ねる中で、職員の中にあった「リフトは怖いし、痛いもの」という考えは大きく変化。リフトの全面導入につながった。 現在は各ユニットで事例検討を行い、本人のニーズを確認した上で、必要な人に対してリフトを導入している。介護職を対象に行ったアンケートでは「転落したらどうしようという不安があったが、先輩がフォローしてくれた」「入所者が怖がらないし自分も楽。お互いストレスが減った」などの声も聞かれるという。
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