施設や在宅で食のケアにかかわる専門職が、摂食・嚥下のアセスメントについて学ぶ勉強会が東京・江東区で行われた。言語聴覚士や歯科衛生士、管理栄養士、介護職、障害の当事者、介護者など10名が参加した。 主催したのは、区内で訪問歯科診療を行う、ユウデンタルクリニック。院長の笠松恵子氏は、地域のケアマネや介護職を対象に、月数回の頻度で介護食やソフト食の試食会をしている。参加者から、食べるだけでなく、現場で生かせる知識や技術を身に着けたいという意見があり、今回から勉強会を行うことにしたと言う。 講師を務めたのは、保健師の飯田賢仁氏。がん診療連携拠点病院の栄養サポートチーム(NST)のメンバーや特養の看護師を経て、現在は介護や医療をテーマにしたラジオ番組のパーソナリティに。自身の番組や家族、医療・介護職向けの勉強会で、「フードスタディ」の普及に取り組んでいる。 「フードスタディ」は、利用者への食支援を目的に多職種がディスカッションを行う“確認会”のこと。関係者は本人と同じ食事を試食し、味やかたさ、飲み込みやすさなどが、本人の状態やや嗜好などに合っているのか検討する。その結果をもとに、味や食形態を見直す。 愛知学院大学講師で、言語聴覚士の牧野日和氏が考案した。「家族や介護職が、食事の量や固さが本人に合っているか、自信をもって支援できるようサポートする。本人に食事の楽しさを思い出させることがゴール」と飯田氏。 試食会も開催した。笠松氏は、シロップで柔らかくして歯ぐきでつぶせるようにした食パン、舌でつぶせるまで煮込んだハンバーグなど、市販の介護食十数点を用意。歯ぐきや舌だけを使って試食した。「意外とおいしい」と驚く参加者もいた。
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