サービス付き高齢者向け住宅協会(会長=小早川仁・学研ココファンホールディングス社長)は5月31日、第8回高齢者集合住宅研究大会を開催した。国交省の補助金で急速に数を伸ばしたサ高住も、ここ1年間は横ばい。一方、事業者の倒産やサービスの悪化など課題が目立ち始めた。 小早川会長は「安易な参入、社会保障費に依存するビジネスモデル、非効率的な設計・オペレーションなど、課題はすでに明らかになっている。介護・運営を担う当協会と、ハウスメーカー系の高齢者住宅推進機構との提携も強化し、適正な運営を目指していきたい」とあいさつした。 「想定よりも施設化してしまった」。そう話したのが、制度創設にもかかわった伊藤明子国土交通省大臣官房審議官。部屋は狭く、駅から遠い。しかし、新築なので家賃は高い――というサ高住の実態を挙げ、「早めの住み替えで在宅限界を高めることを目的に、在宅支援から看取りまで多様な住まい方を提供できる仕組みとした。だが、現時点では多様な選択肢を提供しているとはいえない」として「“人手の薄い民間の特養”と思われてもやむを得ない」と話した。 国交省は、交通利便性の高い地域への供給を増やすことを目的に、市町村が作成した立地適正化計画に沿った供給を促している。伊藤氏は取り組みの一つとして、新潟市の事例を紹介。立地適正化計画で設定する居住誘導区域の内外で、固定資産税の減税割合に差をつけているという。「まちなかにつくれば、入居者の生活面の利便性が上がる。地域包括ケアを成り立たせるためには重要」とした。 |